2025年07月09日更新

Pythonの.（ドット）に関連する「関数」「定数」「メソッド」「プロパティ」についてまとめ

どうも、クラゲジュニアです。

Pythonを学んでいると、math.sqrt(2)という記述はモジュール名.関数名という構造は分かるけど、mylist.append(100)という記述の構造は何だっけ？🤔となる場合がありましたので、クラゲジュニアなりの視点で整理してみました。

[TOC]

関数と定数

組み込みの関数と定数

Pythonには、あらかじめ用意された「組み込み関数」や「組み込み定数」と呼ばれる要素があり、importは不要。

【組み込み関数】
print(), len(), range(), type(), int(), str(), list(), dict(), float(), input(), sum(), max(), min(), abs(), sorted(), zip(), enumerate(), isinstance(), map(), filter(), any(), all(), bool(), set(), tuple(), reversed(), open(), id(), chr(), ord(), pow(), divmod(), bin(), hex(), oct(), round(), dir(), help(), eval(), exec(), globals(), locals(), vars(), callable(), getattr(), setattr(), hasattr(), delattr(), compile(), format(), hash(), iter(), next(), slice(), super(), frozenset(), memoryview(), object(), complex(), ascii(), breakpoint(), __import__()

【組み込み定数】
True, False, None, NotImplemented, Ellipsis, __debug__, quit, exit

使用例

# 組み込み関数
print('hello')

# 組み込み定数
result = True

💡ポイント：関数や定数を使用するのにドットは不要で要素名だけでOK

モジュール読み込みで使う関数と定数

モジュールをimportすることで、そのモジュールが提供する関数や定数を使えるようになる。モジュールには、pip installなしですぐに使える「標準ライブラリのモジュール」と、pip installで追加して使う「外部ライブラリのモジュール」がある。

【標準ライブラリのモジュール例】
os, sys, math, datetime, random, re, json, pathlib, collections, itertools, etc

【外部ライブラリのモジュール例】
numpy, pandas, matplotlib, requests, scikit-learn, tensorflow, flask, pytest, seaborn, beautifulsoup4, etc

使用例

# モジュール読み込み
import math

# モジュール関数
r = math.sqrt(2)

#モジュール定数
p = math.pi

💡ポイント：関数や定数を使用するのにモジュール名.要素名で記述する

※ユーザー定義関数は割愛

クラスのメソッドとプロパティ

組み込みクラス

Pythonには「組み込みクラス」と呼ばれる基本的なデータ型があり、明示的に型指定しなくても、Pythonが自動的に適切な型として認識してくれる。

【組み込みクラス】
整数型（int）, 文字列型（str）, リスト（list）, 辞書（dict）, 浮動小数点数（float）, ブール値（bool）, タプル（tuple）, 集合型（set）, 複素数型（complex）, バイト列（bytes）

使用例

# 組み込みクラス（リスト型）のインスタンスを生成
mylist = []

# 組み込みクラスのメソッド
mylist.append(100)

# 組み込みクラスのプロパティ
# リスト型を含む組み込みクラスの多くはプロパティがないので割愛

mylist = []の時点で、リストクラスのインスタンスが生成されている点がポイント。

標準ライブラリのクラス、外部ライブラリのクラス

組み込みクラスとは異なり、標準ライブラリや外部ライブラリに含まれるクラスは、importしてから使う必要がある。これらにはpip installなしですぐに使える「標準ライブラリのクラス」と、pip installで追加して使う「外部ライブラリのクラス」がある。

【標準ライブラリのクラス例】  
datetime.date, datetime.datetime, pathlib.Path, collections.Counter, json.JSONDecoder, re.Match, itertools.chain, math.ceil, os.DirEntry, sys.float_info, etc

【外部ライブラリのクラス例】  
numpy.ndarray, pandas.DataFrame, matplotlib.pyplot.Figure, requests.Response, sklearn.linear_model.LogisticRegression, tensorflow.Tensor, bs4.BeautifulSoup, flask.Flask, seaborn.axisgrid.FacetGrid, pytest.raises, etc

使用例

# モジュール読み込み（datetimeモジュールからdateクラス読み込み）
from datetime import date

# クラスのインスタンス生成
d = date(2025, 7, 9)

# クラスのメソッド
w = d.weekday()

# クラスのプロパティ
y = d.year

💡ポイント：メソッドやプロパティを使用するのにインスタンス名.要素名で記述する

※ユーザー定義クラスは割愛

まとめ

組み込みで使える関数と定数の場合：関数名、定数名
モジュール読み込みで使う関数と定数の場合：モジュール名.関数名、モジュール名.定数名
クラスで使うメソッドとプロパティの場合：インスタンス名.メソッド名、インスタンス名.プロパティ名
リスト型、辞書型、タプル型などは、組み込みクラスであり、変数初期化の時点でインスタンス生成されている

ということで、mylist.append(100)という記述は、組み込みクラスである「リスト型」のインスタンスmylistに対して、メソッドappend()を呼び出しているものでした。

以上です。